ケンちゃん 

腹話術ケンちゃんの画像


 ケンちゃんとは、腹話術の人形の名前です 


 毎年6月の第二日曜日に、コチサは主催者先生方のご厚意によって、特別介護老人ホーム、障害者福祉施設、同介護施設など3か所を慰問する行事に参加させていただいております 


 「おはなしピエロ」を披露するコチサは5年目になりますが、それよりずーと長く、もう何十年も施設の人たちを楽しませ人気者になっているのが「ケンちゃん」です 


 車が施設に到着するずーと前から、ケンちゃんをちわびて門の前で待っていてくれる入所者の人たちがたくさんいます 


 はじめてケンちゃんに会ってから20年以上も、高齢になって足腰が弱っても、毎年ケンちゃんを迎えに出て来てくれる人たちです 


 彼ら彼女らは、コチサの顔は忘れて毎年新しい人を見るように接して来ますが、ケンちゃんの事は決してれません 


 そしてそのケンちゃんを操るのは、福田先生という女性の方です 





 コチサ
「いいなぁ、ケンちゃんは人気者で。
コチサなんか毎回忘れられちゃているんですよ 


 福田先生
「それだけケンチャンは長く通ってるってことよ。
あなただっていずれはえてもらえるわよ (#^.^#)」





 ケンちゃんは、古い人形なのでボロボロです 


 でも、毎年福田先生が新しいお洋服を作り、髪を梳いて、おめかししてやって来ます 





 去年の事です・・・


 コチサ
「お疲れさまでした。
また今年もケンちゃん大人気でしたね (*^^)v」


 福田先生
「あなたも人気だったわよ 


 コチサ
「ケンちゃんの人気に追いつけますかね (^O^)」


 福田先生
「まだまだけないわよ 


 コチサ
「よーし、来年も勝負だ !(^^)!」


 福田先生
「その意気よ、ファイト! 





 そして今年もまた近づく6月のその日を前に、
福田先生が永眠された連絡を受けました。

 発病してから20年という長い闘病生活でした。

 げっそり痩せていた年もありました。

 治療の副作用で、
身体が黒くなっている時もありました。

 歩くのさえ辛そうな時もありました。

 でも、そんな心配を吹き飛ばしてしまうくらい
元気な笑い声があったので、本人も周りも、
このままがずーと続くものだと思っていました。

 葬儀を終え、来月偲ぶ会が開かれます。

 コチサも含め、たくさんの人たちが
その時に福田先生にお別れを告げます。

 でも…

 ケンちゃんは?

 ケンちゃんの登場を楽しみに、
門の前に出迎えに来るあの人たちに、
ケンちゃんのいない事をどうやって
伝えればいいのでしょう?

 きっとケンちゃんを大好きになった
長い年月と同じくらいの時間をかけて、
ケンちゃんがいなくなった事を、心で
感じてもらうしかないのでしょう。

 福田先生、ありがとうございました 



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