10円玉の行方 

松ぼっくりの画像


 子どもの頃は、道端で10円玉を拾って駐在さんに届けると、


 駐在さん
偉いね、ありがとう 


 そう言って、その十円玉を机の引き出しにしまい、自分の財布から10円玉を抜き出してくれたものでした 


 コチサは、なんで10円玉を交換してくれるのかがわかりませんでしたが、たまにピカピカの10円玉に代わって渡されると嬉しくなったものでした 


 今になって思えば、あの後、駐在さんは面倒くさい書類を書いて「拾得物」として届け出てくれていたのでしょう 


 そして半年ほど経って、持ち主の現れない「遺失物」として駐在さんのもとに戻ってきたか、あるいは寄付等の手続きをしたのかもしれません 


 それでも、子どもの善意を踏みにじるまねは出来ないと、自分の仕事量が増えることもいとわず褒めて頭をなでてくれたのだと思います 





 東京に出て来たばかりの頃、やはり10円玉を拾いました 


 一応交番に持って行きました。


 おまわりさんは、なんとも言えぬ目で無言で笑いました 


 「どうする? 持っていく?
それともここに置いていく?



 そう言っているように感じました 


 コチサは、たった10円を届け出た自分がいたたまれず、机の上に10円玉を置いてげるように交番を後にしました 





 そしてまた長い歳月が経ちました


 今でも町に10円玉は落ちています 


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