プロンプター 

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 某有名演劇ホールに、某有名俳優さんたちが出演する公演のお誘いを賜ったので、
久しぶりにお芝居を観に行ってきました 





 コチサ
「ご招待ありがとうございます。それも初日に 


 大株主
「一番前の中央という特等席をご用意しましたので、ごゆっくりご観覧下さい(^^)」


 コチサ
「かたじけない 





 三流へぼ役者のコチサは、本当は身銭を切ってでも、こうやって
超一流の方々のお芝居を見学させていただき勉強をしなくてはいけないのですが、
貧乏が続くとどうしてもケチ根性が湧き、食事を減らしてまでもお芝居を見学、
という熱意に欠けてしまいます 





 大株主
「それでこそ三流役者コチサさんたる所以ですよ(#^.^#)」


 コチサ
「失敬な! 





 そして今回は、新しい勉強をさせていただきました 


 コチサのお芝居『おはなしピエロ』は、連続公演をすることは少なく、
ほとんどが『一期一会公演』です 


 そのせいもあって、『台詞が飛ぶ』ことを幾度となく経験しています 


 コチサの場合は、脚本演出の社長が、当日は【プロンプター】として控えてくれています。


 ※注
 プロンプター(英: [名] prompter, [動] to prompt)とは、
 舞台演劇において、出演者が台詞や立ち位置、所作を失念した場合に
 合図を送る(プロンプトを行う)ことを役割とする舞台要員(スタッフ)のこと。
 (以上、wikipediaより)






 コチサは、台詞が飛ぶと、間を大げさにとり、ゆっくりゆっくりとお客さんを威圧するように、
舞台袖の社長のほうに向かって歩き出すそうです 


 だから社長は、コチサがその大げさな演技をし始めて、近づいてくると、
あっ、コイツ、台詞がんだな」とわかるそうです 


 社長のプロンプターの対応は、二通りあって、ひとつは、文字通りのプロンプターとして、
忘れている台詞をそのまま伝えてくれるものです 


 しかし、舞台ではなく、小さい会場で、お客さんとひとつになってお芝居をすることがほとんどなので、
この方法はなかなか使えません 


 どんなに小さい声で台詞を伝えても、周りのお客さんの耳に入ってしまうからです 


 そこで社長は、
ストーリー展開から連想させて思い出させる
という手法をよく使ってきます 


 台詞が飛んで自分の方に向かってくるコチサに気が付くと、わざと大きな声で、近くのお客さんに、


で、走って行った男性は、あのまま黙って行っちゃうんですかね。
失礼なヤツですね。
申し訳ありません』とか、『子どもが病気で急いでいます』とか、
なんか一言ぐらい言ってもバチは当たりませんよね



 などと言って、暗にコチサに、忘れたシチュエーションや現在の状況を再確認させて、
台詞を思い出させようとさせるのです 


 まぁコチサが三流役者ゆえに思いついた社長の苦肉の策なので、
それはそれで大層感謝をしています 





 ところが今回、超一流のホールで、超一流の役者さんの舞台というシチュエーションで、
初めて『台詞が飛んだ』シーンに出会いました 


 それも最前列中央席という事で、その臨場感たるやすごいものです。


 その時は、突然やってきました 


 一流と三流の違いこそあれ、いやコチサが三流だからなおさら、
役者が舞台で台詞が『ぶっ飛んだ瞬間』というのは、すぐにわかります 





 役者さん
そこでわれわれが思うに・・・


 コチサ
「(あっ、飛んだ(/_;)


 役者さん
ゆえに思うに・・・


 コチサ
「(どうするんだろ? ここは相手役の女優さんのフォローかな?)」


 女優さん
「(笑顔のまま・・・)」


 コチサ
「(あっ、こっちも飛んでる(/_;))」





 コチサなら、ここで突然仰々しい芝居が始まり、ゆっくり袖に向かってき出すところです 


 コチサの目から、舞台下手にプロンプターさんが滑り込んできたのが見えました 


 コチサ
「(さぁ、どうするんだろ? これは勉強になるぞ(*^^)v)」





 ところが・・・


 そのプロンプターさんは、メガホンを取ると、役者さんに向かって大声で
われわれが思うに、皆で橋げたの宿に雨宿りの・・・
と、忘れた台詞を叫んだのです。


 コチサ
「えっ? みんなに聞こえちゃってるよ(^_^;)」





 でも、役者さんも堂々としたものです 


 役者さん
そこでわれわれが思うに、皆で橋げたの宿に雨宿りの・・・


 と繰り返したのです 


 そして、お芝居はその後も粛々と進み、カーテンコールとなりました 





 大株主
「いやぁコチサさん、今日はありがとうございました。
いかがでしたか?」


 コチサ
「大変勉強させていただきました 


 大株主
「初日ということで、至らない点もあったと思われますが、
どんな状況でも手を抜かず、その日の精一杯をお見せできれば、
われわれも胸を張って帰れます\(^o^)/」


 コチサ
「そうですね 


 大株主
「良かったら千秋楽にもう一度ご覧になられますか?」


 コチサ
「いや結構です。 今日のお芝居は最高でした。 きっと千秋楽も最高でしょう。
同じ最高を二回も見なくても充分感動をさせていただきました 


 大株主
「じゃぁ、まったねぇ~ヽ(^o^)丿」


 コチサ
「まったねぇ~ 





 昔、画家を目指す人とこんなお話をしたことを思い出しました 


 コチサ
「ピカソって、石膏デッサンとかものすごく上手なんだってね 


 暗に、なんであんなヘタウマみたいな絵を描くのかなぁという意味合いを込めての発言でした。


 画家さん
「だったら絵を描く必要はないでしょ。 写真で良いでしょ!」


 その言葉に、頭をがーんと叩かれたくらいの衝撃を受けたことがありました 





 今日のお芝居も、台詞が飛んだところに焦点を当てるなら、
だったら、映画で良いでしょ」ということになるはずです。


 どんなにロングラン公演をしたところで、昨日と同じ今日はない 


 だから、どの公演にも最善を尽くすから最高になる 


 プロンプターの出番のある公演も、出番の無い公演も、
その日最高の公演をするためにはたいした問題じゃないんだということを実感しました 





 コチサ
「ってことで、大変勉強になった公演だったよ(^O^)」


 社長
「やっぱり、一流のものを見たり触れたりすることは大切なことだからね 


 コチサ
「社長も、一流のプロンプターにれてみればいいのに^m^」


 社長
「そっち? 演出家や脚本家じゃなくて?
・・・もしかして私の行き先って、そっち? 


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