ひなたの匂い 

風鈴の画像
「お盆です♪」


 お母さん
「今年はおには帰って来んのか?」


 コチサ
「これまでもお盆に帰ったことはないけど・・・


 お母さん
ツルばあちゃんの23回忌やで」


 コチサ
「そっかぁ~





 お盆の入りに老衰で亡くなったおばあちゃんは、天寿を全うしたといわれていました 





 コチサ
「今年はハナばあちゃんも亡くなったし、コチサを助けてくれたおばあちゃんが、
二人ともいないことにつくづく歳月の重みを感じるよ 


 お母さん
「そういうお前の言葉に全く重みがないことを、ワタシはつくづく感じるでぇ(^_^;)」


 コチサ
「この猛暑で、濯物がすぐ乾くんだよ 


 お母さん
(・。・;話の急展開に付いていけないお母さん)」


 コチサ
「タオルもシーツも、毎日洗ってもすぐ乾くんだ 


 お母さん
やからな 


 コチサ
「でね。コチサ、柔軟剤を使うのをやめてみたんだよ。なんでかわかる 


 お母さん
「ケチやからやろ(-"-)」


 コチサ
「違うよ(ムッ)





 お母さんとお父さんが田んぼに出かけた夏の日 


 コチサはおばあちゃんと洗濯をして、庭の端と端を結んだ洗濯ロープに、
シーツやタオルなんかをたくさんしました 


 そしておばあちゃんと、鬼ごっこやかくれんぼです 


 おばあちゃんが隠れても、白いシーツにが映ってすぐにわかります。





 コチサ
「おばあちゃん、ぃつけたぁ~ 


 おばあちゃん
「サチコは天才やな。どうしてすぐ見つけられるんや?」


 コチサ
「お日さまが教えてくれるんだよ 





 コチサは慢げに「影の秘密」をおばあちゃんに話します 


 大げさに驚いてくれるおばあちゃん 


 そして縁側に座って並んでスイカを食べて、種飛ばし競争をして、これもコチサが圧勝です 





 コチサ
「ほんとにおばあちゃんは弱いなぁ 


 おばあちゃん
「おばあちゃんが弱いんではない、サチコが強すぎるんや 





 おばあちゃんは、いつもコチサをい気持ちにさせてくれることしか言いません 


 お父さんとお母さんとは大違いです 





 おばあちゃん
「さぁ夏やから、もう洗濯物が乾いたで。
父さん母さんが戻ってくる前に取り込んでおかんとな」


 コチサ
「がってん! 





 縁側に山のように無造作に積まれる洗濯物たち 


 コチサはその中に、勢いよくジャンプしてび込みます 





 コチサ
「うわーいぃ匂い 


 おばあちゃん
ひなたの匂いやで 





 そして今度はおばあちゃんの胸に飛び込むコチサ 





 コチサ
「あー、おばあちゃんもひなたの匂いだ 





 コチサにとって、ひなたの匂いはおばあちゃんのいです 


 そして毎年この時期だけ、東京にいても早起きして洗濯物を外に干せば、
それを嗅ぐことが出来ます 


 だからこの時期だけは、優しい香りの柔軟剤にも、すこしだけお休みしてもらいます 





 コチサ
「そういう訳だから、残念だけど23回忌はこっちでおばあちゃんの匂いに包まってごすよ。
お寺さんには謝っておいてね 


 お母さん
「気にせんでええで。
どこにおっても、お前がおばあちゃんを思う気持ちは、
おばあちゃんはちゃんとわかってくれてるからな(^^)」





 今日は、父方のツルばあちゃんの命日です 


 おばあちゃん、サチコは今日も元気で、こずるくきてるから安心してね 


洗濯バサミの画像
「ひなたの匂いはおばあちゃんの匂い♪」



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