丸呑みうどん 

讃岐うどんの画像


 お母さん
「お前、最近『つけ麺』いうもんを食べとるらしいな 

 コチサ
「ど、どうしてそれを 


 お母さん
「それも、『麺がしこしこして歯ごたえがあって、もうめられません』
とか言うとるんやって?」


 コチサ
「な、なんでそこまで 


 お母さん
「香川県の人間が、そこまで言うてえんか?」





 そうです 


 「香川県=讃岐」の人間は、
『麺がしこしこして歯ごたえがあってもう止められません』という言葉は、
讃岐うどん』にこそ使うべきなのです 





 お母さん
「お前は、故郷をったんやな(ーー;)」


 コチサ
「そ、そんなぁ~ 


 お母さん
まんな(/_;)」


 コチサ
「へっ?」


 お母さん
「お前をうどん嫌いにしたのは、わたしのいやからな(-"-)」





 コチサの実家は、有名な『讃岐うどんトイアングル』の一画を成す地域にありますが、
当時の我が家は「うどんは外に食べに行くものではなく、自で作って食べる」ものでした 


 これは、コチサの家だけでなく、隣所も同じで、
それぞれお気に入りのお店から「うどんの」を買ってきて、
自宅ででて味付けをして食べるという家がほとんどだったと、記憶しています 





 お母さん
「うちが贔屓にしていて毎回買っていた「○○うどん」、
本当はすごくコシがあって味しいんやで(#^.^#)」


 コチサ
ってるよ。
こっちでも讃岐うどん特集のテレビ番組では必ず顔を出しているよ 


 お母さん
「その美味しいうどんを、お前に美味しく食べさせなかったんは、わたしの任や(p_-)」





 今でこそ、讃岐うどんを大好物のひとつにあげるコチサですが、
実家暮らしの頃は「うどんいのサチコ」として名を馳せていました 





 お父さん
「ほんまもんの「うどん通」は、ノドで食べるんや。
香川県人は、うどんを噛んで食べるいうことは、せえへん。
ほれ、見てみいサチコ、こうやってべるんや」





 そういってご満な顔でうどんをすするお父さん


 典型的な実直な田舎の人間で、『郷土を愛し田畑仕事に胸を張る
という人生から生まれた融通のきかない一本気は、
家族に、いらぬ気苦労と大きな迷惑をかけてきました 


 特に、宴会の席でお酒が入ると、
お父さんの「土自慢・業自慢」は最高潮に達します 


お母さん特性のうどんをみんなに振る舞い、
例の「ノドで食べる」通ぶりを披露します 


 そんな中で、お母さんの作るうどんは、『麺がしこしこして歯ごたえ満点』のうどんから、
麺が柔らか、唇でも噛み切れる』うどんに変わっていきました 


 悦に入っているお父さんの顔を立てながら、
万が一、喉に詰まらせたらどうしよう?という不安の中で編み出した、
お母さんの『性うどん』なのです 





 コチサ
「今でも、お父さんは、うどんはノドで食べるとかやってるの? 


 お母さん
「あぁ、それでもこっそり噛んでるんは、母さん知っとるけどな(^_^;)」


 コチサ
「じゃぁ、お母さんの特性うどんは、前にも増してらかくなっているんだね 


 お母さん
「そやな。ますますお前にわれそうなうどんになってるな(*^^)v」





 お父さんが自慢げにうどんを振舞う陰で、
お母さんはどんな陰口をかれていたことでしょう 


ほんまに讃岐の嫁なん?あんなコシの無いうどんを作って

料理も出来ん嫁を迎えたんとちゃう?

まるで離乳食やな





 お母さん
「それでも、お父さんがうどんをのどに詰まらせんことが、
何より大事なことやからな(^^)」


 コチサ
「あの禿爺さんは、お母さんの気持ちがわかってるのかね 


 お母さん
「どうやろな、わかってないんとちゃうかな(#^.^#)」





 まったく、この親子関係はなんなんだろ 


 まるで嘘で固めた家族です 


 お父さんは、お母さんがそう言われながらも、
自分の為に柔らかいうどんを出し続けたことをわかっています 


 そしてお母さんは、お父さんがその事をちゃんとわかって、
感謝をしていることをわかっています 


 コチサは、そんな二人が、そうやって口に出さない信頼関係で、
年月を重ねてきたことをわかっています 


 そして、お父さんとお母さんも、このバカ娘も、
今ではそういうことをわかっていることを、わかっています 





 コチサ
「あーぁ、昭和の家族関係って複雑、イヤになるよ(-"-)」


 お母さん
「『ゆかしさ』いうて、一番大切なことやと思うけどな(^○^)」


 コチサ
「そなの?
コチサは面倒くさくてイヤだよ(/_;)」


 お母さん
「ほー、そうですか。
ほなら、そういうことにしておきましょう。
昭和生まれのサチコさん(*^^)v」





 なんだかなぁ~(^_^;)


 でも、誰もがそう思うように、コチサも、
自分の父親と母親がこの人たちでかったと思っています 





 お母さん
「最近は、東京でも簡単に食べられるそうやから、岐うどん食べるんやで 


 コチサ
「でも、やっぱりなんか水が違うのか、味が違うんだよ。
それに、コチサの讃岐うどんは、今では
麺が柔らか、唇でも噛み切れる
やつなんだよね 




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