昭和の日 

故郷の画像


 おばあちゃんは、昔の人特有な「贅沢は敵」と考える人だったので、
何一つモノを欲しがったり、「」を持ったりしない人でした 
 そう、コチサとは正反対の人でした  (突っ込まれる前に自ら書いておきますね(/_;)




 コチサには、たくさんのものを買いえてくれましたが、おばあちゃんが、
自ら自分のものを買うことは一切ありませんでした 


 そんなおばあちゃんが、過去に一度だけ、どうしても欲しいからと、
自らお金を出して、お父さんに買ってきてもらったものがありました 


 それが、「天皇陛下御在位六十年記念硬貨」です 


 昭和天皇の在位60年を記念して1986年に発行された、
10万円の記念硬貨です 


 お父さんがそれを持ってって来たとき、おばあちゃんは、
それはそれは大事に仏壇にげ、おりをしました 


 10万円のお札10万円のコインになって、
しかもそれが普通の通貨として使える・・・ 当時のコチサには、
おばあちゃんがそうまでして欲しがる理由がわかりませんでした 


 そして、その理由が今わかったという訳でもありません 


 第二次世界大戦を生き抜き、日々の暮らしが戦後の復興という、
昭和の時代とリンクする中で、おばあちゃんの中で育まれた、
いろいろな思いや歴史・記憶や体験などが、
重なってのことなのでしょう



 だから、その理由はわからなくて当然です 


 ただ、あの時おばあちゃんが、それをしがり、
お父さんが何もかずに買って来てあげたという事実を覚えておくことが、
とても大切なことのような気がしています 


 そしてコチサは、その事を思い出すのを「昭和の日」に決めたのです 





 お父さんから、「天皇陛下御在位六十年記念硬貨」を受け取った日、
おばあちゃんは、コチサが自転車買ってもらった日のように大喜びをしませんでした 


 「ありがとう」と拝むように受け取り、静かに仏壇に捧げたのです 


 そして、一週間後に、その硬貨は仏壇からおばあちゃんの箪笥の中に移され、
それ以降、それをにする人はありませんでした 





 おばあちゃんが亡くなった後も、その硬貨の事は、
さすがのコチサも何故か聞くことが出来ずに今日まで来ています 


 でも、新しく建て替えたあの実家のどこかに、おばあちゃんのが住み着いているように、
あの硬貨もどこかで静かに眠っているんだと思っています 


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